【7月21日 AFP】イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相(72)と売春婦との会話のやりとりを録音したとされるテープが20日、左派系有力誌エスプレッソ(L'Espresso)のウェブサイト上で公開された。

 テープには、ベルルスコーニ氏とされる男性が「わたしもシャワーを浴びるよ。先にシャワーを浴びて、大きなベッドで待っていてくれ」と語っているところなどが録音されている。その後、売春婦のパトリツィア・ダダリオ(Patrizia D'Addario)さんとされる女性の声で、「どのベッド、プーチンの?」との言葉が聞こえ、「プーチンのだ」と答える男性の声が続く。

 ダダリオさんによると、ベルルスコーニ氏は、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相が使用したことのある四柱式ベッドをプーチンのベッドと呼んでいたという。

 一方、ベルルスコーニ氏の弁護士ニコロ・ゲディーニ(Niccolo Ghedini)氏は、テープについて、「まったくくだらない、怪しいものだ。でっち上げだ」と一笑に付した。その上で、この音声が使用された場合、使用者に対し訴訟を起こすと警告した。

 ベルルスコーニ氏をめぐっては、南部バーリ(Bari)のある実業家が女性らに現金を渡してローマ(Rome)とサルデーニャ(Sardinia)にあるベルルスコーニ氏宅で開かれた夜のパーティーに招いたことが明らかになり、買春の疑いで捜査が開始されているという。

 ダダリオさんはその疑惑の中心的な人物。ダダリオさんは地元メディアに対し、2晩でそれぞれ2000ユーロ(約26万7500円)ずつの謝金を約束されていたと語っている。また、ベルルスコーニ氏との会話を録音し、捜査当局に提出したことも明らかにしている。

 この買春疑惑には、ベルルスコーニ氏は直接関与していないとみなされているほか、ベルルスコーニ氏も「女性は自分の力で手に入れるものだ」と語り、この疑惑を強く否定している。(c)AFP/Gina Doggett