【7月20日 AFP】6月28日に軍事クーデターでホセ・マヌエル・セラヤ(Jose Manuel Zelaya)大統領が国外に追放されたホンジュラス情勢の打開を目指し、コスタリカのオスカル・アリアス・サンチェス(Oscar Arias Sanchez)大統領が仲介してコスタリカのサンホセ(San Jose)で再開された和解交渉は19日、再び行き詰まった。

 交渉にはセラヤ氏と、クーデター後にホンジュラスの暫定大統領に指名されたロベルト・ミチェレッティ(Roberto Micheletti)氏本人は出席せず、双方の代表団が出席した。

 アリアス大統領はセラヤ氏が1週間以内に帰国して大統領に復帰し、ミチェレッティ氏側と暫定政権を樹立して大統領選を前倒しするという和解案を提示した。

 ミチェレッティ氏側は和解案の大部分を認める考えだが、セラヤ氏の大統領復帰は断固として拒否する姿勢を崩していない。

 暫定政権側はセラヤ氏が国家反逆罪など18の罪を犯したとして帰国すれば逮捕する方針を明らかにしており、セラヤ氏が法廷で裁かれる場合にのみ帰国を認めるとしている。

■中南米への波及を警戒

 米国をはじめとする各国政府はセラヤ氏の追放が他の国に波及することを警戒している。ベネズエラ、ボリビア、エクアドルなどで政権が権威主義的な傾向を強めていることから、非民主主義的な権力の交代が起きかねないとの懸念が出ている。比較的平穏な時期が続いた中南米が、新しいクーデターの時代に入るおそれもある。

 米国と米州機構(Organization of American States OAS)は、セラヤ氏の国外追放を非難し、同氏の大統領復帰を呼びかけている。

 米国は、ホンジュラスの暫定政権向け軍事援助を凍結した一方、米国務省は和解交渉を破たんの危険にさらすとしてセラヤ氏に帰国を急がないよう求めている。(c)AFP/Ana Fernandez