【7月16日 AFP】前年のインド・ムンバイ同時テロ事件以降、関係が悪化していたパキスタン、インド両国は16日、非同盟諸国会議(CNAC)が開かれたエジプトで首脳会談を行い、協力してテロ対策に取り組むことで一致した。

 パキスタンのユサフ・ギラニ(Yousuf Raza Gilani)首相とインドのマンモハン・シン(Manmohan Singh)首相は、会談の後の共同宣言で「両国の指導者はテロリズムと戦う決意と、その目的のために協力することを確認した」と発表した。

 核保有国である両国の会談は、インドで166人の死者を出した08年11月のムンバイ同時テロ事件以降、わずか2度目だが、中断していた和平協議再開に期待をもたせた。宣言には「シン首相はムンバイ事件の容疑者らを裁きにかけることの必要性を強調し、ギラニ首相はこの件に関して、パキスタンができるすべてのことを実行すると保証した」とも盛り込まれた。

 また、宣言はテロリズムを「両国にとって主要な脅威」と位置づけたが、一方で両国はテロリズムに対して起こす行動と、和平協議は結びつけて考えるべきではないという見解でも一致した。

 首脳会談は、エジプトのシャルムエルシェイク(Sharm El-Sheikh)で行われた発展途上国を中心とする非同盟諸国会議の首脳会議にあわせて行われた。(c)AFP/Samer al-Atrush