【7月11日 AFP】ふだんの主要国(G8)首脳会議(サミット)では離れた場所に滞在する各国首脳は、10日に閉幕したイタリア・ラクイラ(L'aquila)のサミットでは近隣に寝泊まりすることになり、この環境の変化が各国首脳の友好関係を深める結果につながったという。

 4月の地震で被災地となったラクイラ周辺には、使用可能な高級ホテルが無かったため、各国首脳は警察宿舎に宿泊することになった。中には、同じ施設に寝泊まりした首脳らもいたという。

 たとえば、ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領とニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領は、同じ施設に滞在した。メドベージェフ大統領が1階と2階に泊まり、サルコジ大統領が3階と4階を使用した。メドベージェフ大統領はサミットでは非常に気さくで、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領をファーストネームで呼んでいたという。

 また、英国代表団によると、麻生太郎(Taro Aso)首相と同じ施設に滞在したゴードン・ブラウン(Gordon Brown)英首相は、大学の学生寮時代に戻ったような気分になり、「まるで学生寮のようだった」と語ったという。

 陰気な風貌を批判されることの多いブラウン首相も、サミット中は元気いっぱいで、笑顔で冗談を言うところがたびたび目撃された。

 サミットのホスト役を務めたイタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相はサミット前、スキャンダル報道の渦中にいた。しかし、カナダのスティーブン・ハーパー(Stephen Harper)首相によると、ベルルスコーニ首相は上機嫌で、寛大なホスト役を務めていたという。

 ハーパー首相は、「(ベルルスコーニ首相は)とても70代には見えない。非常に活力に満ちて、すばらしいホストだ」と語った。また、ハーパー首相は、「ベルルスコーニ首相との唯一の問題は、彼からいただいた贈り物が素晴らしすぎて、帰ってから倫理委員会で深刻な問題になりかねないことだ。だからちゃんともらった物を全て報告しなければと思っているよ」とジョークを放った。(c)AFP