【7月3日 AFP】国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は3日、ミャンマーの首都ネピドー(Naypyidaw)でタン・シュエ(Than Shwe)国家平和発展評議会(SPDC)議長と会談し、民主化指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さん(64)ら政治犯の解放を要請した。一方、スー・チーさんの裁判は、同日に再開の予定だったが、審理は1週間延期となった。

 潘事務総長は会談の冒頭で、「再びミャンマーを訪れ、(タン・シュエ議長と)協議できることをうれしく思う。また、ミャンマーを前進させるとした議長の決意を歓迎する」と述べ、ミャンマーの平和と発展のために協力したいと語った。

 タン・シュエ議長との会談に先立ち、ヤンゴン(Yangon)に到着した潘事務総長は、自宅軟禁の条件に反して自宅に外国人を滞在させたとして、同市内の悪名高いインセイン(Insein)刑務所内に5月から拘束されているスー・チーさんとの面会許可を、タン・シュエ議長に要請するつもりだと語っている。

 また、ミャンマー訪問の目的は、スー・チーさんを含めてすべての政治犯の釈放を達成することだとしながらも、非常に困難な使命となるだろうと話した。このほか、タン・シュエ議長に国際社会の懸念を伝え、報道の自由と民主化を要請する意志を示した。

■スー・チーさんの審理は延期に

 スー・チーさんが率いる国民民主連盟(National League for DemocracyNLD)の広報担当で弁護人を兼任するニャン・ウィン(Nyan Win)氏によると、スー・チーさんの裁判が延期されたのは、同日、出廷を予定していたスー・チーさん側の証人2人に関する書類を裁判所が受理していないことが理由だという。

 スー・チーさんはこれまでの19年中、13年間を拘束下で暮らしてきたが、有罪が確定すれば5年間の禁固刑に処せられる可能性がある。裁判は10日に再開の予定。(c)AFP/Herve Couturier