【6月25日 AFP】イランの改革派の高位聖職者ホセイン・アリ・モンタゼリ(Hossein Ali Montazeri)師は25日、大統領選の結果に抗議する改革派に対し、当局が継続している弾圧によって現体制が不安定化する可能性があるとの声明を発表し、政権の指導者たちをけん制した。

 モンタゼリ師は「イラン国民が平和的な集会で自分たちの正当な権利について語ることができず、代わりに弾圧されるのならば、事態は複雑化し、政府がいかに強力だろうともその基盤を揺るがしうるだろう」とAFPにファックスで送られた声明で述べた。

 同師はまた同国の過去30年間で最悪の危機を脱するために、「公平な」委員会の設置を呼び掛けた。

 モンタゼリ師は一時期、イスラム革命を率いた故ホメイニ(Ruhollah Khomeini)師の後継の最高指導者候補と目されたこともある高位の聖職者。

 イラン大統領選に端を発する混乱をめぐっては、最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師が大統領選の結果の撤回はしないと宣言しているほか、25日に予定されていた抗議デモ中に死亡した改革派支持者の追悼集会が延期に追い込まれている。

 25日の報道によると、大統領選後これまでに投獄された改革派の支持者や選挙運動関係者、ジャーナリスト、大学関係者などは140人以上に上るという。(c)AFP/Jay Deshmukh