【6月21日 AFP】欧米歴訪中のジンバブエのモーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)首相は20日、ロンドン(London)のサザーク大聖堂(Southwark Cathedral)で亡命ジンバブエ人らを前に演説した。

 ツァンギライ首相が、帰国してジンバブエの再建を手助けしてほしいと呼びかけると、聴衆からロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領の退陣が先だという声が次々にあがり、「口をつぐめ」という怒鳴り声も上がった。

 8年前にジンバブエを後にしたという会場にいた男性(42)は、「ツァンギライはムガベの政治手法に染まってしまったようだ。われわれ英国在住のジンバブエ人は暴力のトラウマに苦しんでいる。ムガベがいるうちに帰国することなどあり得ない」と語った。

 また、ツァンギライ首相がムガベ大統領との連立政権が国内の平和と安定を実現したと述べるとさらに激しい怒りの声が上がり、聴衆の大半が「どちらもまだ実現されていない」と叫んだ。

 ジンバブエでは4か月前に、ツァンギライ首相の野党・民主変革運動(Movement for Democratic ChangeMDC)と、かつての政敵だったムガベ大統領の与党・ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU-PF)の連立政権が発足している。

 同首相は、ジンバブエの援助獲得やかつての同盟国との関係修復を目指して欧米を歴訪しており、現在は英国に滞在中。22日にはゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相と会談する予定。(c)AFP/Guy Jackson