【6月20日 AFP】英国のゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相は、20日付のガーディアン(Guardian)紙に掲載されたインタビューで、人々から批判を受けたことで「傷ついた」と語り、「明日にでも、これら全てのことから立ち去る」ことも簡単だと語った。

 また、ブラウン首相は、首相官邸を2度と見ることが無いとしても何一つ心を痛めないと述べ、「自分がなりたかった理想のコミュニケーターほどに、自分は偉大ではない」と語った。

 議員の経費乱用スキャンダルや複数の閣僚の相次ぐ辞任、欧州議会(European Parliament)選挙や英地方選挙での労働党(Labour Party)の大敗を受けて、ブラウン首相の権威は揺らいでいる。辞任した閣僚の中には、首相個人を厳しく非難する人もいた。

 総選挙が12か月以内に予定されるなかで、世論調査で労働党が大きく差をつけられているにも関わらず、ブラウン首相は、労働党を勝利に導くことができると主張している。

 ブラウン首相は、「本音をいえば、明日にでも、これら全てから立ち去ることができる」と語った。「権力の座に付随することがらに興味はない。首相官邸や別荘などに2度と戻れないとしても、何も気にならない。それに、子どもにとってはそっちの方がよいだろう」

 また、ブラウン首相は、「わたしの弱さを探せばいい、わたしの弱さを非難すればいい。わたしは、自分がなりたいと思い描いていた情報提供者、あるいはコミュニケーターほどに、偉大ではないのだ」と語った。

「非難する人物を探して、その人のせいにすることは簡単だ。しかし、われわれは世界的な経済危機の直撃を受け、英国史上で前代未聞の議員経費問題も起きている」

「もちろん、党内の団結は重要な要素だ。人びとは、党の分裂ではなく団結を望んでいる。だが、こういった要素は今は無い」

「どれほど責任感が強かろうと、どれほど誠実であろうと、そして人びとの発言でどれほど傷つこうとも、問題に対処するしかないのだ」

(c)AFP