【6月18日 AFP】ミャンマーの民主化指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さんが19日、64歳の誕生日を迎えるが、世界各地の支持者らはスーチーさんを祝う準備を整えるとともに、ミャンマー軍事政権によって起訴されているスー・チーさんの釈放を求める声をあげている。

 スー・チーさんは湖畔の自宅に泳ぎ着いた米国人男性を滞在させたことで、軟禁条件違反とされ、軍事政権に起訴されている。このため誕生日は、現在拘束されているヤンゴン(Yangon)の悪名高いインセイン(Insein)刑務所内で迎えることになる。

 1990年の選挙でスー・チーさんが率いる国民民主連盟(National League for DemocracyNLD)が圧勝し、軍事政権がこれを認めることを拒否して以来、スー・チーさんは過去19年のうち13年間を拘束下で暮らしてきた。
 
■ヤンゴンの国民民主連盟本部

 ヤンゴンのNLD本部では、党員たちがスー・チーさんの誕生日を祝う準備を進めている。内容は仏僧に朝食を提供するなど、例年の誕生日と変わりない。

 同党幹部のレイ・レイ(Lei Lei)氏はAFPの取材に「今年もまた本人なしで誕生パーティーをしなければならない。釈放されれば非常に喜ばしい。そうなるよう願い祈っている」と語った。

 また別の党幹部メイ・ウィン・ミン(May Win Myint)氏は、祝賀会の予定について「早朝に5人の仏僧に夜明け食事を提供し、その後、風船とハト、スズメを空に放つ。それから小さなパーティをする」と明かした。

■世界各地でも記念行事、サイト上ではバースデーメッセージ募集

 一方、世界各地でもスー・チーさんの誕生日を祝う行事が行われる。マレーシアではライブ・コンサートとスピーチ・リレーが、アイルランドとオーストラリアでは夜通しの祈りが、タイでは討論会が予定されている。

 インターネット上には「スー、64歳(64 for Suu)」と題するサイトが立ち上げられ、スー・チーさんへのバースデー・メッセージを集めている。多くはマイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」や動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」を通じ、これまでに1万通が寄せられた。

 メッセージを寄せた著名人には、ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)英首相、英国人サッカー選手のデビッド・ベッカム(David Beckham)さん、米俳優のジョージ・クルーニー(George Clooney)さんやジュリア・ロバーツ(Julia Roberts)さんなどがいる。(c)AFP

「スー、64歳(64 for Suu)」のサイト(英語)