【6月17日 AFP】韓国の東亜日報(Dong-A Ilbo)は17日、北朝鮮の核実験に対する国連(UN)による制裁などに備え、北朝鮮が国外の金融機関口座から資金の引き出しを急いでいると伝えた。

 東亜日報は、中国の消息筋の話として、北朝鮮が、資産凍結の懸念からマカオ(Macau)などにある口座から資金の引き出しを開始したと伝えた。同紙によると、北朝鮮の個人や企業などが国外に保有するほぼすべての口座から、資金が引き出されているという。

 韓国の国家情報院(National Intelligence ServiceNIS)は、AFPに対し「制裁が実施されつつある中、(北朝鮮が資金を引き出した)可能性はある。報道内容の事実確認を急いでいる」と語った。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)は12日、国連安保理決議1874を採択した。2006年の核実験に対する制裁を強化するもので、貨物検査の強化や武器禁輸措置の強化、核・ミサイル開発への資金の流れを断つための新たな金融制裁などを呼びかけている。

 決議採択前の前週、東亜日報は、北朝鮮が中国やスイスなどに保有する銀行口座10-20件の詳細情報を、韓国政府が米国に提供したと伝えていた。同紙によると、これらの口座が通貨偽造や麻薬の取引、マネーロンダリング(資金洗浄)に関連した取引に使われている疑いがあるという。

 2005年に米財務省は、マカオの銀行、バンコ・デルタ・アジア(Banco Delta AsiaBDA)をマネーロンダリングや北朝鮮の偽造通貨を取引している疑いのある金融機関に指定している。これにより同行の北朝鮮資金は凍結された。その後、この措置は6か国協議が進展したことを受け、07年に解除されている。(c)AFP