【6月14日 AFP】イランの大統領選挙で保守強硬派の現職マフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領が圧勝した13日午後、イランの主要な携帯電話網が不通になったほか、SNSサイトのフェースブック(Facebook)、動画共有サイトのユーチューブ(YouTube)に同国内からアクセスできなくなった。現地の特派員らが伝えた。

 イランには国営のイラン電気通信会社(Telecommunications Company of IranTCI)と民間のイランセル(Irancell)が運営する2つの全国規模の通信網があるが、携帯電話はアフマディネジャド大統領はテレビ演説を開始する直前の13日午後10時(日本時間14日午前2時30分)に使えなくなった。

 イラン国内で何人かのユーザーが、それぞれ別のプロバイダーを通じてインターネット接続したところ、フェースブックにもユーチューブにもつながらなかったという。この2つのサイトは、穏健派ミルホセイン・ムサビ(Mir Hossein Mousavi)元首相を支持する多くの若者が使用している。

 ムサビ元首相の支持者らが、選挙に不正があったとして首都テヘラン(Tehran)市内で抗議行動を始めた直後からアクセスできなくなったという。抗議行動が始まった直後からその模様を写した大量の写真や動画が両サイトに投稿されていた。

 イラン当局は5月23日にもフェースブックへのアクセス禁止措置を取った。この時は数日で復旧したが、12日の投票日を前にムサビ元首相の支持者らがフェースブックを選挙戦に利用するのを妨害するためだだったと伝えられている。(c)AFP