【6月9日 AFP】北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の長男・金正男(キム・ヨンナム、Kim Jong-Nam)氏が、9日に放送されたテレビ朝日(TV Asahi)とのテレビインタビューで、自分の一番下の弟が総書記の後継者になるという報道について、「そうなると思う」と答えた。

 滞在先のマカオで、くだけた服装でインタビューに英語で応じた金正男氏は、三男の金正雲(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)氏(26)が後継者に内定したとの報道について「ニュースはメディアで知っている。(報道は)本当だと思う」と答えた。

 そして「それは父の決定だ。いったん父が決定したら、わたしたちはそれに賛同しなければならない」と言い添えた。正男氏は前週も、日本テレビ(NTV)の番組に対し同様の談話を残している。

 弟の正雲氏について正男氏は、「父は自分の息子として弟をとても気に入っている。わたしは弟が北朝鮮人民の幸福と生活の向上にとって、最善を尽くせたらよいと思っている。彼がどういう人間かを語ることはできない。ただ、わたしの弟だと言えるだけだ」と述べた。金正日氏の後を継ぎたくないのかとの質問には、笑いながら「わたしは政治には興味がないんだ」と答えた。

 さらに、自分の側近が北朝鮮で粛清されたという報道については「それは完全に誤った情報だ」と否定した。

 正男氏と弟の正雲氏は異母兄弟。正男氏は2001年に偽造旅券で日本に入国しようとし、強制退去を命じられたが、おそらくこの件で総書記の後継となる可能性が失われたとされる。(c)AFP