【6月9日 AFP】7月にやり直しが決まっている国際原子力機関(IAEA)の次期事務局長選の模擬投票が9日、オーストリア・ウィーン(Vienna)の同本部で行われ、立候補している日本の天野之弥(Yukiya Amano)ウィーン国際機関代表部大使が過半数の票を獲得した。
 
 参加した外交官らによると、非公開で行われた模擬投票で、天野氏は35票中20票を獲得した。南アフリカのアブドル・ミンティ(Abdul Samad Minty)IAEA担当大使は11票、スペインのルイス・エチャバリ(Luis Echavarri)経済協力開発機構(OECD)・原子力機関事務局長が4票だった。

 ほかの2人の候補、ベルギーのジャン・ポール・ポンスレ(Jean-Pol Poncelet)元副首相兼国防・エネルギー相、スロベニアのエルネスト・ペトリッチ(Ernest Petric)IAEA理事会元議長は一票も獲得しなかった。

 模擬投票には拘束力はないが、35か国からなる非公式理事会は各候補への支持を測る指標にしている。また十分な支持を得られていないと思った候補者は、この時点で選挙戦からの撤退を決めることもある。

 モハメド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)事務局長の後任を決める事務局長選挙の再選挙は、7月2日に行われる。(c)AFP