【6月7日 AFP】レバノン国民議会選(定数128)の投票が7日、実施された。多宗教が混在する同国で、親欧米派の現与党連合と、イランやシリアの支援を受けイスラム教シーア派組織ヒズボラ(Hezbollah)を軸とする反米親シリア勢力が、数議席差をめぐる接戦を展開すると見られている。

 投票開始前から、各投票所には支持政党の色を身につけた有権者数百人が並んだ。対立政党陣営同士の暴力的衝突を防ぐため、全土に警官、レバノン軍が動員された。レバノンはここ数年常に、内戦、宗派間抗争、政情不安などが続いている。

 ベイルート近郊のジュニエ(Jounieh)で投票所に並んでいた女性(37)は「レバノン人が自分たちの運命を決めることができるために今、わたしたちは投票している。わたしたちは外国に干渉してほしくない」と語った。

 スンニ派が率いる現与党連合を支援する米国政府は、シーア派のヒズボラをテロリスト組織とみなしており、選挙の行方に注目している。ヒズボラ中心の連合が勝利した場合、米国が軍事援助を引き揚げることが予測される。(c)AFP/Jocelyne Zablit