【5月23日 AFP】英議員の不適切な経費請求が相次いで発覚している問題で23日、今度は自宅の防犯ゲートの設置費用5000ポンド(約75万円)を経費計上していた議員がいたことが判明した。

 英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)の新たな標的になったのは、保守党のジョナサン・ジャノグリー(Jonathan Djanogly)議員。富豪の実業家兼慈善家の息子である同議員は、自分の選挙区の英国西部ハンティンドン(Huntingdon)にある自宅に5000ポンド近くかけて自動式防犯ゲートを設置し、その費用を計上したと報じられている。

 これについて同議員は声明で「動物保護団体の活動家たちからの脅威にさらされていたため、警察のアドバイスに従った」と説明している。

 テレグラフ紙によると、同議員はこのほか造園代の約1万3000ポンド(約200万円)、清掃代の約1万4000ポンド(約210万円)など、自宅にかかった経費として計7万7000ポンド(約1160万円)を計上していたという。このうちすでに2万5000ポンド(約377万円)を返納したという。

 テレグラフ紙は過去2週間で全国の646人の議員のうち、200人以上の不適切な経費請求を暴露。専門家や国民の間で怒りの声がますます激化している。

 こうした中、下院では議員の自殺者が出るかもしれないという危機感が広まっており、テレグラフ紙の一連の暴露記事を「マッカーシー時代の魔女狩りのようだ」として非難する声も上がっている。

 英紙ガーディアン(Guardian)で発表された、英民間調査機関ICMが20-21日に1010人を対象に実施した電話調査によると、有権者の3分の2がブラウン政権に対し年内の解散総選挙を求めるているという。また有権者の27%が6月に開催される欧州議会選挙や地方議会議員選挙で主要政党ではなく、緑の党(Greens)などの小さな政党を支持する考えであることも、同調査から分かっている。(c)AFP