【5月19日 AFP】米国とロシアは、12月に失効する戦略兵器削減条約(Strategic Arms Reduction TreatySTART)に代わる新たな核軍縮条約の交渉を、週内にも開始する。

 米露間におけるSTART交渉は、旧ソ連時代、冷戦末期の1980年代後半から、ソ連が崩壊しロシアが誕生した90年代初期にかけて行われた。以下は、その歩み。

 米ソは、1970年代に調印した第2次戦略兵器制限条約(SALT II)に代わる条約として、第1次戦略兵器削減条約(START1)および第2次戦略兵器削減条約(START2)の草案をまとめ1991年、START1についてのみ調印。同条約は94年12月5日に発効した。

 内容は、戦略核弾頭の数を7年間で、米国は9986個から8556個、ソ連は1万237個から6449個に削減するとした内容。この条約が、今年の同日に失効する。

 ソ連崩壊後、交渉はロシア政権に引き継がれ、1993年1月3日、当時のジョージ・H・W・ブッシュ(George H.W. Bush)米大統領とボリス・エリツィン(Boris Yeltsin)露大統領が、両国が保有する戦略核弾頭の上限をまず4250個に削減し、2007年末までには3500個以下に制限するとしたSTART2に調印した。START2は、さらに、2003年1月1日までに潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の上限を1750個とし、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の全廃(SS18を含む)も明記している。

 START2は、1996年にまず米上院が批准。2000年4月にロシア議会も同条約法案を可決したが、これに修正条項をつけ加えたため米国が承認せず、結局、START2は発効していない。

 STARTのほか、米露間の戦略核兵器削減の動きには、2002年5月に調印された「戦略攻撃兵器削減条約(Strategic Offensive Reductions TreatySORT)」(通称:モスクワ条約)がある。同条約は、両国が2012年末までに戦略核弾頭をそれぞれ1700-2200個にまで削減することを規定している。(c)AFP