【5月19日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は18日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相とホワイトハウス(White House)で初の首脳会談を行った。会談では、イランの核開発阻止および中東和平交渉へのアプローチをめぐり、両首脳の姿勢の違いが浮き彫りになった。

 ネタニヤフ首相はパレスチナとの「速やかな」交渉再開に意欲を示したものの、オバマ大統領が主張するパレスチナ「国家」の樹立については表立った支持は示さなかった。両首脳の姿勢の違いが際だった会談だったが、オバマ大統領はイスラエル・パレスチナ問題は「数日、数週、数か月のうちに進展する可能性があると確信している」と述べた。

 イランの核開発阻止について、オバマ大統領はイスラエルに対し、米国の外交努力は無期限に行うつもりはないと明言。今年中の交渉進展に期待感を表明した。ただ、イランが応じない場合の新たな制裁については慎重な姿勢を示した。一方、ネタニヤフ首相は、核武装したイランはイスラエルにとって目の前に存在する脅威だと述べた。

 オバマ大統領は、6月のイラン大統領選まではイランとの外交的進展はほとんど期待していないと述べ、交渉の期限については明言しなかった。

 オバマ大統領は共同記者会見で、ネタニヤフ首相にパレスチナ国家樹立に向けた交渉進展を訴えた。これに対しネタニヤフ首相は、ヨルダン川西岸(West Bank)がガザ地区(Gaza Strip)のようにイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の支配下に落ちた場合の影響について懸念を示した。(c)AFP/Stephen Collinson