【5月16日 AFP】(一部更新、写真追加)約1か月間にわたって投票が行われてきたインド下院総選挙(定数545)は16日、開票が始まった。開票速報によると、最大与党・国民会議派(National Congress)率いる与党連合がライバルの最大野党・インド人民党(Bharatiya Janata PartyBJP)を大きく引き離して圧勝、国民会議派のマンモハン・シン(Manmohan Singh)首相の2期目がほぼ確実な情勢となった。

 選挙管理委員会の開票速報によると、国民会議派率いる与党連合は最大で250議席を獲得する見込みで、一方、最大野党・インド人民党を軸とする野党連合は160議席にとどまる見通し。国民会議派だけで、1991年以来最大議席数となる190議席を獲得するとみられる。与党連合の議席数は、272議席の過半数に届かない見込みだが、事前予想をはるかに超える勝利が確実となった。

 国民会議派のソニア・ガンジー(Sonia Gandhi)総裁は、マンモハン・シン首相と共同記者会見を開き、「今回も国民会議派を支持した人びとに感謝したい」と述べ、「インドの人びとは、自分たちにとって何が良いことかを分かっている。そして常に正しい判断をする」と語った。

 ニューデリー(New Delhi)にある国民会議派の党本部前では、市民らが集まりにぎやかな祝賀パーティーの様相となっている。国民会議派の広報担当、Abhishek Manu Singhvi氏は、「国民会議派が圧倒的な得票を獲得した」と述べた。

 与党連合は、安定した政権運営のために必要な20-30議席を、多数ある地方政党の中から選ぶことになりそうだ。議会で過半数を獲得するためにも、与党連合は連合外の政党の支持を得なければならない。ただ、最大野党・インド人民党に対する大幅なリードで、連合外の政党とも連携しやすくなるとみられる。

 国民会議派の広報担当、Ambika Soni氏によると、党指導者らと連合政党らが16日のうちに集まり、11億人のインド国民から支持を得るための政権運営について協議する。

 憲法では、新政権の組閣は6月2日までに行わなければならない。(c)AFP