【5月10日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は9日、首都ワシントン(Washington D.C.)で開かれたホワイトハウス記者会(White House Correspondents’ AssociationWHCA)主催の夕食会で、自分自身や副大統領をネタにしたジョークを披露して多くの著名人がひしめく会場を沸かせた。

 毎年恒例のこの夕食会は、ハリウッドの有名スターと政界の大物たちが親交を深める数少ない機会になっている。

 オバマ大統領は公的発言をする際、原稿表示装置「テレプロンプター」を使って事前に書かれた文章を読み上げることが多く、プロンプターへの依存度が高いと報じられたことがある。また、オバマ大統領に好意的なワシントンのジャーナリストに頼りすぎているという評論家もいる。

 オバマ大統領は「あなたたちの大半は私のニュースを伝えてくれた。あなたたち全員が私に投票してくれた」と語り、ヒルトンホテル(Hilton Hotel)に集まった約2000人を笑わせた。

「次の100日で、私はもうテレプロンプターを使わないようになっているはずだ。そして(失言が多いことで有名な)ジョー・バイデン(Joe Biden)米副大統領はテレプロンプターを使うようになっているだろう」と述べた。

 今年の夕食会には、映画監督のスティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)氏、女優のグレン・クローズ(Glenn Close)さん、女優デミ・ムーア(Demi Moore)さん、その夫で俳優のアシュトン・カッチャー(Ashton Kutcher)さん、俳優ヴァル・キルマー(Val Kilmer)さん、歌手スティング(Sting)さん、女優ブルック・シールズ(Brooke Shields)さんら、きら星のようなスターたちが出席した。

 そのほか、 「ハドソン川の奇跡」機長のチェズレイ・サレンバーガー(Chesley Sullenberger)氏、ソマリア沖で海賊から救出され、同日ホワイトハウス(White House)でオバマ大統領と面会したばかりのリチャード・フィリップス(Richard Phillips)船長らも出席した。

 欠席した政治家は、08年の米大統領選挙で共和党の副大統領候補だったアラスカ(Alaska)州のサラ・ペイリン(Sarah Palin)州知事だけだったという。

 ホワイトハウス記者会は米大統領の取材を担当するジャーナリストらによって1914年に設立され、夕食会にはカルビン・クーリッジ(Calvin Coolidge)第30代米大統領から出席するようになった。しかし、評論家らは、ワシントンの政治記者と取材対象たるべき政治家のなれ合い関係を示し、またジャーナリストが有名なスターにこびているとして夕食会を批判している。(c)AFP