【5月9日 AFP】ホワイトハウス軍務室のルイス・カルデラ(Louis Caldera)室長は8日、写真撮影などのために大統領専用機の予備機をニューヨーク(New York)上空で低空飛行させた責任を取って辞任した。

 4月27日、F16戦闘機2機を伴ったボーイング747型機(Boeing 747)がニューヨーク上空で低空飛行を行った。この機体は米大統領搭乗時に「エアフォースワン(Air Force One)」というコールサイン(呼出符号)を使用することで知られている。

 オフィス街で働く人たちのうち、大統領専用機を示すマークを見逃した人たちは、3000人近くが犠牲となった2001年の9.11米同時多発テロ事件の再来かとパニックとなった。写真撮影と出撃訓練のためだったと知った人たちからは怒りの声が上がっていた。

 低空飛行をめぐる政治的混乱を受け、カルデラ室長は自らが職にとどまるとオバマ政権の障害になるとして、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領宛の書簡で辞意を表明した。なお、マンハッタン上空で低空飛行することは知らなかったとしている。

 ホワイトハウスはこの書簡と今回の件に関する報告書、および自由の女神(Statue of Liberty)を背景に飛行する大統領専用機の予備機の写真を公開した。

 なお、ロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官がジョン・マケイン(John McCain)上院議員に送った書簡によると、今回の飛行にかかった費用は、大統領専用機の予備機の分が30万658ドルから32万8835ドル(2959万9780円から3237万3804円)の間、F16戦闘機分が2万8177ドル(277万4025円)だったという。(c)AFP