【5月4日 AFP】4月下旬の南アフリカ総選挙で黒人与党、アフリカ民族会議(ANC)が勝利し、同党のジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)議長(67)が次期大統領に就任するであろうことは国民にはもう周知のことだ。しかしここで、4度の結婚を経験し、現在は2人の妻がいる一夫多妻主義の大統領のファーストレディーは誰か、という新たな疑問が持ち上がっている。

 ANCの広報担当ジェシー・デュアルテ(Jessie Duarte)氏によると、一夫多妻制は南アフリカでは合法だが、同国憲法にはファーストレディーに関する条項がない。「ズマ氏は公式行事によって、2人の妻のどちらでも、あるいは娘でも同行させることができる」という。

 現在も婚姻関係にある1人目の妻、Sizakele Khumalo夫人とズマ氏との付き合いは50年来。1973年に結婚し、子どもはおらず、現在もズマ氏の地元、クワズールー・ナタール(KwaZulu Natal)州の奥深いNkandla村にとどまり暮らしている。世間の目を避け、公式行事などにもめったに出席しない。

 もう1人の妻は08年に結婚したばかりのNompumelelo Ntuli Zuma夫人。ズールー(Zulu)の伝統に則り夫婦でヒョウの皮をまとい、豪勢な式を挙げて話題にもなった。年は大統領のおよそ半分の34歳で、南アフリカの社交界を牽引する「ソーシャライト」のひとりと自負している。

 結婚以来、重要行事にはひんぱんに出席しており、4月22日の総選挙でも、地元Nkandla村で投票したズマ氏のかたわらにいたのはこちらの夫人だったことから、ファーストレディーの座の争奪戦では優勢と、現地メディアは報じている。

 また、ズマ氏の娘のDuduzileさんはズマ氏によく同行しており、9日の大統領就任式でもファーストレディーの役を務めるかもしれず、誰がファーストレディーなのかというジレンマからズマ氏を救えるかもしれない。

 実はズマ氏にはしっかり先例がある。1994年のネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領の就任式では、娘のジンジ・マンデラ(Zinzi Mandela)さんが付き添った。このとき、マンデラ氏は2番目に結婚した夫人ウィニーさんと離婚を進めていたが、3番目の夫人で元モザンビーク大統領夫人のグラサ・マシェル(Graca Machel)夫人とはまだ結婚していなかった。(c)AFP/Tabelo Timse