アイスランド総選挙、「聖ヨハンナ」率いる左派連立政権を信任
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【4月27日 AFP】金融危機で経済が破綻(はたん)したアイスランドで25日、危機後初の総選挙が行われ、前政権崩壊を受けて発足したヨハンナ・シグルザルドッティル(Johanna Sigurdardottir)首相(66)の左派連立政権が過半数を獲得し、勝利。首相が率いる社会民主同盟(SDA)は第1党に浮上した。
シグルザルドッティル首相は支持者らを前に、「わたしたちの時が来た」と勝利宣言した。
■同性愛者の首相、率直さに好感
シグルザルドッティル首相は、同性愛者であることを公表するフェミニストであると同時に、同国史上最も優れた政治家の1人と目されている。
容赦なく社会的大義を擁護する姿勢から「聖ヨハンナ」のニックネームを持つ同氏は、経済問題をめぐる抗議行動の激化を受け、保守系の独立党(Independence Party)と社会民主同盟の連立政権が崩壊に追い込まれたのち、2月1日に首相に任命された。
同氏が任命された理由について、政治学者のGunnar Helgi Kristinsson氏は、「彼女は国民から信頼されている。演説が特に上手いわけではないが、うそをつかず率直なところが、好感を持たれているのだろう」と分析する。
社会問題相を長く務めていた同氏は、「頑固で時々せっかち」との評もあるが、2007年以降の閣僚別支持率調査では、何度も最高支持率を得ている。
■最優先課題は「EU加盟」
最優先の公約として、シグルザルドッティル氏は、迷うことなくアイスランドの早期EU加盟と4年以内のユーロ導入を掲げてきた。
しかし、この問題については賛否が分かれている。賛成派は、EU加盟を世界経済の混乱を回避する安全策と見なしているのに対し、反対派は、特に漁業へのEUからの干渉を警戒する。
このほか、前年10月に大手3行が国有化されるなど苦境に陥っている銀行部門について、シグルザルドッティル氏は、再建したのち再び民営化すると公約している。
■客室乗務員から政界へ
シグルザルドッティル氏は、大学卒業後、1962年から1971年まで、旅客機の客室乗務員を勤めた。その後政界に転じ、1978年に国会議員に初当選した。1994年に社会民主同盟の党首選に立候補したが、落選。そのとき「いずれ、わたしの時が来る」との言葉を残した。
翌1995年、社会民主同盟を離党して左派のThjodvak(国民運動)党を結成。同年の総選挙で4議席を確保した。同党は1997年、古巣の社会民主同盟と合併した。
02年に54歳の女性作家と「結婚」。同氏は、近現代の政府指導者としては世界で初めて、同性愛者であることを公表しているが、こうした性的傾向が議論の対象となったことは一度もない。同性愛者であることを隠し立てしない一方で、私生活については堅く口を閉ざしている。今年2月に次期首相候補として名前が取りざたされるようになってから初めて同氏が同性愛者であることを知ったという国民も多い。
シグルザルドッティル氏は、元夫との結婚による息子2人がいる。(c)AFP/Svanborg Sigmarsdottir
シグルザルドッティル首相は支持者らを前に、「わたしたちの時が来た」と勝利宣言した。
■同性愛者の首相、率直さに好感
シグルザルドッティル首相は、同性愛者であることを公表するフェミニストであると同時に、同国史上最も優れた政治家の1人と目されている。
容赦なく社会的大義を擁護する姿勢から「聖ヨハンナ」のニックネームを持つ同氏は、経済問題をめぐる抗議行動の激化を受け、保守系の独立党(Independence Party)と社会民主同盟の連立政権が崩壊に追い込まれたのち、2月1日に首相に任命された。
同氏が任命された理由について、政治学者のGunnar Helgi Kristinsson氏は、「彼女は国民から信頼されている。演説が特に上手いわけではないが、うそをつかず率直なところが、好感を持たれているのだろう」と分析する。
社会問題相を長く務めていた同氏は、「頑固で時々せっかち」との評もあるが、2007年以降の閣僚別支持率調査では、何度も最高支持率を得ている。
■最優先課題は「EU加盟」
最優先の公約として、シグルザルドッティル氏は、迷うことなくアイスランドの早期EU加盟と4年以内のユーロ導入を掲げてきた。
しかし、この問題については賛否が分かれている。賛成派は、EU加盟を世界経済の混乱を回避する安全策と見なしているのに対し、反対派は、特に漁業へのEUからの干渉を警戒する。
このほか、前年10月に大手3行が国有化されるなど苦境に陥っている銀行部門について、シグルザルドッティル氏は、再建したのち再び民営化すると公約している。
■客室乗務員から政界へ
シグルザルドッティル氏は、大学卒業後、1962年から1971年まで、旅客機の客室乗務員を勤めた。その後政界に転じ、1978年に国会議員に初当選した。1994年に社会民主同盟の党首選に立候補したが、落選。そのとき「いずれ、わたしの時が来る」との言葉を残した。
翌1995年、社会民主同盟を離党して左派のThjodvak(国民運動)党を結成。同年の総選挙で4議席を確保した。同党は1997年、古巣の社会民主同盟と合併した。
02年に54歳の女性作家と「結婚」。同氏は、近現代の政府指導者としては世界で初めて、同性愛者であることを公表しているが、こうした性的傾向が議論の対象となったことは一度もない。同性愛者であることを隠し立てしない一方で、私生活については堅く口を閉ざしている。今年2月に次期首相候補として名前が取りざたされるようになってから初めて同氏が同性愛者であることを知ったという国民も多い。
シグルザルドッティル氏は、元夫との結婚による息子2人がいる。(c)AFP/Svanborg Sigmarsdottir