【4月26日 AFP】25日イラクのバグダッド(Baghdad)を電撃訪問したヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は、最近イラクで自爆テロなどが相次いでいるが、これによってイラクの復興が妨げられることはないと言明した。

 前日の24日にはバグダッド郊外のシーア(Shiite)派聖廟で2人が自爆し、少なくとも65人が死亡した。また23日にはイラク北部で、数十人が死亡する自爆事件が起きたばかりだった。米軍戦闘部隊の都市部からの撤退期限である6月30日まであと9週間だが、今月に入りイラクでは爆破事件や自爆テロで250人以上が死亡している。

 米軍は2011年末までにイラクから撤退する予定だが、クリントン国務長官は、米国のイラク支援は変化することはないと述べた。

 クウェートから空路イラク入りしたクリントン国務長官は、バグダッド空港でクリストファー・ヒル(Christopher Hill)駐イラク大使、マイケル・マレン(Michael Mullen)米統合参謀本部議長、ホシヤル・ジバリ(Hoshiyar al-Zibari)イラク外相の出迎えを受けた。

 クリントン長官と会談したジバリ外相は「会談は有意義だった」と述べ、イラク政府は前年米政府と取り決めた米軍撤退のタイムテーブルを守っていくと述べた。

 クリントン国務長官は、イラク駐留米軍のレイ・オディエルノ(Ray Odierno)司令官、ジャラル・タラバニ(Jalal Talabani)イラク大統領、スタファン・デミツラ(Staffan de Mistura)国連特使と会談した。また米大使館で「タウンホールミーティング」を行い、招待された学生、教師、女性団体のメンバーなど約140人のイラク人からの質問に答えたが、参加者が治安への不安を訴える場面もあった。

 クリントン氏がイラクを訪れたのは4度目、国務長官としては初めてだった。(c)AFP/Sylvie Lanteaume