【4月13日 AFP】(一部更新、写真追加)タイ国軍は13日朝、首都バンコク(Bangkok)の交差点を占拠していたデモ隊の排除に乗り出した。催涙弾を発射したり、銃を空に向けて威嚇射撃をする国軍兵士に対し、デモ隊は火炎瓶などで抵抗、少なくとも70人が負傷した。うち2人は重傷だという。

 タイのアピシット・ウェチャチワ(Abhisit Vejjajiva)首相は12日、バンコクと周辺地域に非常事態宣言を発令したが、数千人規模のタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相派のデモ隊は市内で抗議活動を続行した。

 11日に中部パタヤ(Pattaya)での東南アジア諸国連合(Association of Southeast Asian NationsASEAN)会議や東アジアサミットを激しいデモ活動で中止に追い込んだタクシン元首相派のデモ隊は、秩序回復のために軍が投入された12日夜も、軍との小競り合いを繰り返しながら首相官邸前をデモ行進した。

 抗議活動は、ASEAN会場へのデモ隊の乱入を率いたデモ隊幹部1人が12日逮捕されたことから、激化の様相を見せている。ASEAN会議の中止という失態を招いたアピシット首相は、各政府機関に軍の装甲車を配備し、政権発足からわずか4か月後に直面した騒乱の収拾にあたる。

 今回の非常事態宣言は、バンコクでは過去8か月間で3度目だ。前年には、反タクシン派による大規模なデモで、タクシン派の首相2人が退陣を余儀なくされている。

 タクシン元首相は以前、タイで暴動が発生した場合はタイに帰国すると語ったことがある。元首相は現在、ドバイ(Dubai)で亡命生活を送っていると見られている。(c)AFP/Jutarat Tongpiam