【4月11日 AFP】(一部更新、写真追加)タイのパタヤ(Pattaya)で11日、アピシット・ウェチャチワ(Abhisit Vejjajiva)首相の辞任を求めるタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相派のデモ隊が、東南アジア諸国連合(Association of Southeast Asian NationsASEAN)プラス3(日中韓)首脳会議と東アジアサミットの会場のホテルを包囲、日本の中曽根弘文(Hirofumi Nakasone)外相の車が会場入りできず、予定されていた日中韓の外相会談が中止になった。

 会談では、北朝鮮のロケット打ち上げ問題や経済危機について協議が行われる予定だったが、日中の高官筋によると1時間以上たっても中曽根外相が会場入りできず、中止が決定した。中曽根外相はその後、中韓外相と個別に電話会談を行い、北朝鮮に対し強い対応を取ることで合意したと記者団に話した。

 また、やはり午前中に予定されていたASEAN首脳と中国の温家宝(Wen Jiabao)首相の会合も、延期された。

 タクシン派のデモ隊は10日、2000人以上を動員して警備の非常線を突破しホテルを包囲、軍や警官隊と衝突した。夜になっていったん解散したが、11日早朝に再びホテル周辺の道路をタクシーやトラックなどで封鎖したという。会場から2キロほどの地点で、デモ参加者3人が発砲で負傷したとの情報もある。

 アピシット首相は予定通りのサミット開催を宣言している。会議は、前年来のタイの政治危機の深刻化で数度延期されている。(c)AFP