【4月10日 AFP】イランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad )大統領は「原子力技術記念日」の9日、同国中部イスファハン(Isfahan)で式典に出席し、同国の核開発で大きな進展があったと述べた。

 同大統領はイスファハンの核燃料製造施設でリボンカットを行った後、演説を行い、イランは核燃料の製造と「より大きな能力を持つ(ウラン濃縮用の)2種類の新しい遠心分離器の試験」という2つの成果を成し遂げたと述べた。

 メヘル通信(Mehr)は、この施設は同国西部のアラク(Arak)の重水炉向けに年間10トン、南部ブシェール(Bushehr)原発などに設置されている軽水炉向けに年間30トンの核燃料を製造する能力があると報じた。ブシェール原発は、ロシアが建設し、当面はロシア人技術者が運転することから、同原発向けの燃料はロシアの技術仕様を満たす必要がある。

 世界の大国から核開発計画の放棄を求められているなかにあって、イランはウラン採鉱から濃縮までの核燃料製造技術を獲得したことになる。

 アフマディネジャド大統領とともにイスファハンの式典に参加したゴラムレザ・アガザデ(Gholam Reza Aghazadeh)原子力庁長官は、現在ナタンツ(Natanz)に7000基の遠心分離器が設置されていると述べた。アガザデ氏は2月25日、ナタンツの遠心分離器は6000基だと述べていた。

 国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)は2月19日、ナタンツで稼働中の遠心分離器は3964基で、1476基が核物質を使わずに試験運転中、125基が設置済みだが稼働していないとしていた。

 米国、英国、ロシア、中国、フランス、ドイツの6か国は8日、イランの核計画についての直接協議にイランの直接参加を求める方針を示した。米国のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官は協議に完全に参加する意向であることを示した。

 イランのアリ・アクバル・ジャバンフェクル(Ali Akbar Javanfekr)大統領顧問は9日、イランは米国らの「イランへの姿勢が変わったことを示す建設的な提案」を検討し、返答すると述べた。(c)AFP/Farhad Pouladi