【4月7日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は7日、イスラム教徒が国民の大半を占めるトルコでの演説で「米国の関与(エンゲージメント)の新たな1章」を約束し、米国とイスラム世界の和解を目指すメッセージと共にトルコ訪問を締めくくった。

 イスラム教国への初訪問となったトルコで、オバマ大統領はこの日、欧州とアジアが接する古都イスタンブール(Istanbul)を象徴するモスクを訪れ、宗教指導者や大学生と会見し、対話を望む姿勢をアピールした。

 まず学生との集会に出席したオバマ大統領は、米国の外交に関する質疑応答の場面で「わたしは米国のエンゲージメントの新たな1章に取り組んでいる。かみあわない話をしている余裕も、われわれの差違だけに着目している余裕も、互いの不信の壁に囲まれている余裕もない。われわれの間にある壁は、シンプルな交流でつき崩すことができる」と述べた。また中東問題のすべての背後にイスラエルがあるわけではないと述べ、イスラエルへの「バランスのとれた」姿勢を求めた。

 この後、オバマ大統領はレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)トルコ首相と厳戒警備の中、イスタンブール中心部のブルーモスク(Blue Mosque)とアヤソフィア(Hagia Sophia)大聖堂を相次いで訪れた。

 オバマ大統領は引き続き、トルコ最大の都市イスタンブールを拠点に活動するイスラム教、キリスト教、ユダヤ教の指導者らと会談した。

 今回オバマ氏は大統領就任後初の外国訪問で主要20か国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)、北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrgnisationNATO)首脳会議、米国と欧州連合(EU)の首脳会議に出席した後、8日午後にトルコを離れ、帰国の途についた。(c)AFP/Sibel Utku Bila