【4月3日 AFP】米上院と下院は2日、気候変動対策や大胆な保険制度改革を盛り込んだバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領の2010年会計年度(09年10月-10年9月)の予算案をそれぞれ可決した。

 民主党が多数を占める両院の予算案は、オバマ大統領のものを大筋では受け入れたが、総額3兆5000億ドル(約350兆円)の予算規模については、承認にいたるまでに与党内でも意見が割れ、下院では結局、賛成233票、反対196票で可決された。しかし、減税や歳出制限などを盛り込んだ代替案を提出していた共和党議員は賛成票を1票も投じていない。

 下院が予算案を可決した後、上院も賛成55票、反対43票で、上院の予算案が承認された。

 可決された予算案に強制力はなく、上下院は実際の支出規模が決まる今秋に向けて本予算案の調整を図る。気候変動、教育、保険制度政策をめぐり、民主党と共和党議員の間で、白熱した議論が交わされることは必至だ。

 オバマ大統領は財政赤字額を1兆4000億ドル(約140兆円)と見積もるが、米連邦議会予算事務局(Congressional Budget Office)は、オバマ大統領の予算案を実行すれば、財政赤字は2008年会計年度比4倍の1兆8450億ドル(約184兆円)に膨らみ、実質国内総生産比(GDP)比も13.1%の赤字に達すると警告している。

 一方、下院の予算案は、同会計年度の財政赤字を1兆2000億ドル(約120兆円)まで削減するとしている。(c)AFP