【3月23日 AFP】米ニューズウィーク(Newsweek)誌は21日、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が、国際テロ組織「アルカイダ(Al-Qaeda)」幹部の容疑者に行った尋問方法の詳細が記された前政権時代の覚書を公開する方針だと報じた。

 覚書はジョージ・W・ブッシュ(Geroge W. Bush)前大統領時代に司法省の法律家が作成したもので、水責めや頭を壁に叩きつけるなど、米中央情報局(Central Intelligence AgencyCIA)がテロ容疑者に行ったとされる強圧的な取り調べに法的な根拠をあたえるものだという。もし公開されれば、テロ容疑者に対する尋問方法が初めて公になる。

 今月に入り、ブッシュ政権時代に物議を醸した政策の法的根拠となった覚書や意見書9点が公開されている。2001年9月11日の米同時多発テロ直後から2003年の米軍イラク攻撃までの期間に書かれたもので、ブッシュ大統領が自らにテロ容疑者の扱いに対する全権限を与えた経緯の詳細が記されている。これらは、オバマ政権が批判の多かったブッシュ政権の尋問方法を終結させると言明するなかで公開された。

 オバマ政権のエリック・ホルダー(Eric Holder)司法長官は水責めは拷問に当たると発言し、拷問を是認したり実施したりすることは、米国の法理とも米国の価値観とも相容れないとの見解を示している。

「ニューズウィーク」によると、米国の目的や戦略を敵に知られる恐れがあるとして、直近の覚書3点の公開に反対している諜報関係者もいるという。

 覚書が公開されれば、ブッシュ政権が「テロとの戦い」で行ってきた訴追の実態を究明するための委員会設置を求める声が一段と高まるとみられる。(c)AFP