【3月21日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は19日、発足間もない政権が直面している過去に例がないほどのさまざまな問題について、より多くの国民に直接訴えかけることを目的として、在任中の米大統領として史上初めてトーク番組に出演した。

 オバマ大統領が出演したのは、ジェイ・レノ(Jay Leno)氏がホストを務める、米NBCテレビの人気トーク番組『トゥナイトショー(Tonight Show)』。現職の米大統領がテレビ出演する際は通常、堅苦しくなるものだが、オバマ大統領は今回それを打ち破った形だ。

 オバマ大統領はまず、米政府の実質的な管理下で経営再建中の米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(American International GroupAIG)の巨額ボーナス問題について言及し、この事実を知った時は「あぜんとした」と語った。

 AIG問題などの金融スキャンダルでは、もっと多くの人が逮捕されるべきではとのレノ氏の質問に対し、オバマ大統領は、「あまり言いたくはないことだが、われわれの頭を悩ましている問題のほとんどは、まったく合法的なものなんだ。つまり、どれだけ法改正が必要かがわかるだろう」と語った。

 また、AIG問題などで非難の矢面に立たされているティモシー・ガイトナー(Timothy Geithner)財務長官を称賛する発言も行った。

■軽い話題も

 オバマ大統領は、大統領専用機「エアフォースワン(Air Force One)」の感想を聞かれ、「なかなかクールだよ」と答えた。また、2人の娘と約束していた飼い犬について、ついに犬種を決めたことを明らかにした。

 オバマ大統領は番組中、ジョーク混じりに自身のボウリングの腕前についても告白した。だがそれが思わぬ失言につながってしまった。

 レノ氏にホワイトハウス(White House)内のボウリング場について聞かれた際、オバマ大統領は、練習はしているとしながら、「スコアは129なんだ」、「まるで『スペシャルオリンピック(Special Olympics)』(知的障害者のスポーツ大会)だね」と発言した。

 この発言について、ホワイトハウスはただちに、スペシャルオリンピックの名誉を傷つける意図はなかったと釈明した。(c)AFP/Stephen Collinson