【3月16日 AFP】(一部更新)パキスタンのユサフ・ ギラニ(Yousuf Raza Gilani)首相は16日、ペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)前大統領政権下で解任されたイフティカル・ムハンマド・チョードリー(Iftikhar Muhammad Chaudhry)前最高裁長官ら判事53人の復職を決定したと発表した。

 国民に向けたテレビ演説でギラニ首相は、チョードリー氏らの復職を21日に実施し、これに伴い現最高裁長官は退任すると語った。

 さらに、最大野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(Pakistan Muslim League-NawazPML-N)を率いるナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)元首相と弟のシャバズ・シャリフ(Shahbaz Sharif)氏の被選挙権を停止するとした前月25日の最高裁決定を取り消すよう求めることを決定したことを明らかにした。
 
 一時軟禁されたシャリフ氏は、ギラニ首相の発表を「歴史的な成果」と歓迎する声明を発表。支持者らに対し、首都イスラマバード(Islamabad)で同日予定されていた大規模な反政府デモ行進の即時中止を指示した。

 ムシャラフ大統領(当時)は2007年11月3日、最高裁長官だったチョードリー氏を解任した。これがムシャラフ政権に対する全国的な抗議運動につながり、結局、ムシャラフ大統領は2008年8月、辞任に追い込まれた。 

 チョードリー氏の解任時、同時に判事60人も解任されているが、このうち53人が今回、チョードリー氏とともに復職する。

 ムシャラフ氏の辞任後、アシフ・アリ・ザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領が就任したが、シャリフ元首相の対立が続いたことから、欧米諸国は「テロとの戦い」の最前線であるパキスタンの不安定化を危ぐし、ザルダリ大統領にシャリフ元首相との和解を求めていた。(c)AFP