【3月13日 AFP】北朝鮮が予告するロケット打ち上げは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)技術をテストするための3段式ロケットの発射実験との見方を、韓国の防衛アナリストが13日、明らかにした。

 韓国の防衛技術コンサルティング、Technovalueのソン・ヨンファン(Sohn Young-Hwan)氏は、打ち上げの成功は、北朝鮮がミサイル射程距離を飛躍的に伸ばしたことを意味すると危惧する。

 北朝鮮は国際海事機関(International Maritime OrganisationIMO)および国際民間航空機関(International Civil Aviation OrganisationICAO)に対し、「通信衛星」の打ち上げを4月4日から8日の間に実施すると通告。1段目のロケットが落下する可能性がある地点として、朝鮮半島と日本列島の間の海域、2段目は太平洋を指定している。

 韓国外交通商省関係者や軍事専門家らは、1段目ロケットは北朝鮮北西の舞水端里(Musudan-ri)にある発射基地から東方650キロメートル、2段目は同3600キロメートルの地点に落下すると予測。3段目はロケットを軌道に乗せるためのものとみている。

 ソン氏は、北朝鮮には衛星打ち上げを実践する技術はないことから、打ち上げの目的が大陸間弾道ミサイル開発にあることは明らかだとみる。また、北朝鮮が通告している射程距離もICBMと変わらないという。

 ソン氏は、北朝鮮が1998年のミサイル発射以降も技術を発展させてきたと考えるのは自然なことで、打ち上げ実験の成功は北朝鮮がICBMの打ち上げ技術の開発に成功したことを意味すると話した。

 一方、米国のデニス・ブレア(Dennis Blair)国家情報長官は10日、衛星を打ち上げるとする北朝鮮の主張を認めたうえで、ICBMの打ち上げと技術的な差はないと述べ、実験が成功すれば、北朝鮮の3段式の多段ロケットがアラスカ(Alaska)やハワイ(Hawaii)を超えて米本土にも達する能力を持つことになると懸念を示した。(c)AFP