【3月11日 AFP】北朝鮮は10日、南北共同事業の開城(Kaesong)工業団地で働く韓国企業関係者などの軍事境界線の往来を再開した。北朝鮮は9日、同日から始まった米韓合同軍事演習を「戦争への前兆」と非難し、対抗措置の1つとして、境界線を閉鎖していた。

 北朝鮮は、20日までの予定で行われている米韓合同軍事演習について、北朝鮮への侵攻演習だとして反発し、軍事境界線の往来を承認する際に使われる軍当局間の電話・ファックス回線を遮断するなどの対抗措置を発表していた。

 この発表により、同日、開城工業団地から韓国側へ戻る予定だった80人の韓国人が足止めされていた。

 また、北朝鮮は米韓合同軍事演習に対抗して、総兵力120万人ともいわれる北朝鮮軍の全部隊に戦闘態勢をとるように指示していた。だが、同国が軍事境界線の往来再開を決めたことで、軍事境界線を挟んだ緊張状態は幾分緩和されるものとみられる。

 その一方で、北朝鮮・朝鮮労働党の機関紙「労働新聞(Rodong Sinmun)」は10日も、米韓合同軍事演習を強く非難した。(c)AFP/Jun Kwanwoo