【3月5日 AFP】ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は4日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のラマラ(Ramalla)を訪れ、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長と会談した。クリントン長官は、イスラエルに対し、ガザ地区(Gaza Strip)への支援活動を許可するよう求めるとともに、東エルサレム(Jerusalem)におけるパレスチナ人住居の破壊計画を非難した。さらに、パレスチナ国家の樹立に向けての取り組みを進めていくことを明言した。

 クリントン長官は、「米国は、パレスチナ国家樹立が完全に実現されような状況を作り上げていくことを目指している。時間こそが最も重要だ」と語った。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、中東和平交渉を強力に推進していく意向を表明している。中東和平交渉は2007年11月に再開されたものの、前年12月から今年1月にかけてのイスラエル軍によるガザ地区攻撃によって中断している。

 クリントン長官はまた、「われわれは(イスラエルとパレスチナとの)境界線検問所の問題について懸念を表明してきた。ガザ地区の人びとの苦しみを軽減できるよう、同地区に対する十分な人道支援が実現することを望んでいる」と語り、イスラエルに対し、ガザ地区に対するさらなる支援活動を許可するよう求めた。

 クリントン長官とアッバス議長は、エルサレム市当局が、アラブ系住民が多数を占める東エルサレムで、許可なく建築された住宅数十件を破壊するとの決定を下したことを批判した。

 クリントン長官はこの問題について、03年に提示された中東和平案(ロードマップ)に言及し、「このような行為は有益でなく、ロードマップに定められた義務に違反するものだ」と語った。(c)AFP/Sylvie Lanteaume