【3月3日 AFP】米司法省は2日、前ブッシュ政権の対テロ機密メモなどの文書9通を公開した。バラク・オバマ(Barack Obama)新政権に交替し、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前大統領の下で覆い隠されてきた米国の「テロとの戦い」政策のベールがさらに取り除かれた。

 エリック・ホルダー(Eric Holder)司法長官は同日、ブッシュ政権下でテロ容疑者に対する尋問で行われていた「水責め」は拷問にあたるとして、こうした手法は容認しないと明言した。

 司法省はこの数時間後、正当性をめぐる議論が生じたブッシュ政権下の「反テロ」対策に法的根拠を与えた内部メモや提言書など9通を公開した。最も早い時期の文書は、2001年9月11日の米同時多発テロ直後、直近のものは2003年の米軍イラク侵攻から数か月後のもので、テロ容疑者の処遇についてブッシュ前大統領が自分に権限を集中させた内容となっている。

 今回の内部メモ公開の動きには、ブッシュ前政権の掲げた政策からの決別を明確に示したいオバマ政権の狙いがあるとみられる。

 現在、オバマ大統領の指示により、ホルダー司法長官主導でテロ容疑者の処遇の見直しが進んでいる。またオバマ大統領は、キューバのグアンタナモ(Guantanamo)米海軍基地にあるテロ容疑者収容施設の閉鎖もすでに命じている。

 さらにオバマ大統領は、海外を含む全ての米軍施設で、米軍の行動規範を順守するよう命じた大統領令にも署名した。米軍の行動規範は、水責めなどの過酷な尋問手法を禁じている。(c)AFP/Alex Ogle