【3月2日 AFP】ノルウェーのノーベル賞委員会(Nobel Institute)は2月27日、2009年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)の候補者として、過去最多の計205の個人・団体の推薦を受けたと発表した。バラク・オバマ(Barak Obama)米大統領や、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領の名前も含まれているという。

 平和賞事務局長のGeir Lundestad氏によると、このうち団体は33組織。これまでの最多は、2005年の199個人・団体だった。

 推薦された個人・団体はあくまでも推薦者の意向を反映したもので、委員会の意向は含まれていないとされる。推薦資格を持つ人は、各国の国会議員や政府関係者、大学教授、過去の同賞受賞者、国際機関の職員など、世界で数千人に及ぶ。また、ノーベル賞委員会自身も推薦する権限を持つという。

 候補者名は委員会により50年間秘匿されるが、推薦者本人は、自分が推薦した人物名や団体名を公表してもよいことになっている。

 オバマ、サルコジ両大統領が候補者リスト入りしたことは既に公表されているが、事情通によると、2氏の受賞の可能性は不透明。「2人とも、戦争と平和の分野で特に目立った功績をあげていない」と、平和と発展に関する研究を専門とするクリスチャン・マイケルセン研究所(Christian Michelsen Institute)のGunnar Soerboe所長も否定的だ。

■他の有力候補者たち

 今年のノーベル平和賞候補者には、南米コロンビアの左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(Revolutionary Armed Forces of ColombiaFARC)」の人質となっていたフランス系コロンビア人政治家イングリッド・ベタンクール(Ingrid Betancourt)氏、中国の市民活動家、胡佳(Hu Jia)氏の名前も挙がっている。

 2008年の最有力候補と目されていた胡氏が今年も推薦されたことで、中国人活動家が同賞の候補者に挙がるたびに過剰に反応してきた中国政府を、再び怒らせることになりそうだ。

 また、前年12月にノルウェーの首都オスロ(Oslo)で100か国以上が参加するクラスター(集束)爆弾禁止条約の署名式を実現させた世界約200のNGO連合「クラスター爆弾連合(Cluster Munitions CoalitionCMC)」も、候補者リストに入っている。

 受賞者は10月初旬に発表され、12月10日に授賞式が行われる。(c)AFP/Pierre-Henry Deshayes