【2月27日 AFP】東京入国管理局は27日、1990年代に偽装旅券で入国した容疑で逮捕され強制退去を命じられているフィリピン人、アラン・カルデロン(Arlan Cruz Calderon)さんと妻のサラさんに対し、10日以内に家族全員かまたは娘を置いて出国するよう伝えた。カルデロンさんが記者会見で明らかにした。期限までに出国しない場合は、入管施設に3人を強制収容するという。

 カルデロンさんらの不法滞在は、2年前にサラさんの逮捕がきっかけで発覚した。最高裁は前年9月、特別在留許可を求めたカルデロンさんの上告を棄却したが、入国管理局は日本で生まれ育った長女ののり子(Noriko Calderon)さん(13)については、日本で勉学を続けるための在留を許可した。

 のり子さんが国内で学業を続けるために、カルデロンさん一家がそろって暮らせるよう特別在留許可を求める嘆願署名が、約2万人の支持者から集まった。

 カルデロンさん一家の退去処分をめぐっては、国連人権理事会(UN Human Rights Council)が日本政府に対し、情報提供を求めている。入国管理局職員は、退去命令は法的措置に乗っ取ったものであり、国連の質問書に拘束力はないと理解していると語った。

 一方、森英介(Eisuke Mori)法相も同日、「一家3人での在留が認められないことはすでに告知している」との見解を述べている。(c)AFP