【2月26日 AFP】韓国・東亜日報(Dong-A Ilbo)は26日、北朝鮮が長距離弾道ミサイル試射場の地下に燃料注入施設を建設したと報じた。米国の偵察衛星によるミサイル実験日程の予測を困難にさせる狙いがあるとみられる。

 情報筋によると、北朝鮮は2008年末から今年初めにかけて、北東部沿岸の咸鏡北道(North Hamkyong)舞水端里(Musudan-ri)にあるミサイル発射場周辺の地下に、液体燃料をミサイルに注入する施設を完成した。

 北朝鮮は過去に、偵察衛星から確認できる地上施設を使用してミサイルに燃料を注入していた。

 国際社会の警告にもかかわらず、北朝鮮側は24日、衛星発射実験の準備は「着々と進んでいる」と発表したが、実施日については触れていない。

 韓米両政府は、こうした「衛星発射実験」は長距離弾道ミサイル、テポドン2号(Taepodong-2)の発射実験のための口実とみている。テポドン2号の射程距離は米アラスカ(Alaska)に到達可能だと考えられている。両政府は衛星打ち上げロケットの発射実験でも、国連(UN)安保理決議に違反するとの見解を示している。

 しかし、韓国・聯合(Yonhap)ニュースによると、北朝鮮政府は25日夜、最近イランが「衛星発射実験」に成功した件を引き合いに出し、「誰もわれわれ(の実験)を止めることはできない」と声明を発表した。

 情報筋は、燃料注入施設の地下化によって「北朝鮮はミサイル発射の最も重要な準備作業を秘密裏にできるようになった」と分析する。

 また別の情報関係者は、燃料注入にはこれまで4-5日かかっていたが、新施設によってミサイル打ち上げの準備期間は1-2日に短縮されるだろうとみている。(c)AFP