【2月23日 AFP】イスラエル新政権の組閣を進めている右派野党リクード(Likud)党首のベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)元首相は22日、中道右派カディマ(Kadima)を率いるツィピ・リブニ(Tzipi Livni)外相との連立協議に臨んだが、中東和平交渉における両者の見解の相違から、交渉は不成功に終わった。
 
 リブニ外相は協議後の記者会見で、「われわれの間には本質的な違いがあり、進展はなかった。(イスラエルとパレスチナの)2国家共存とパレスチナ人との最終的な協定が必要だというのが、連立の必須条件だが、この点で合意はなかった」と語った。

 一方、ネタニヤフ氏は「共通点も多く見いだせた。今後も交渉は続けていく」と前向きな姿勢を示した。

 リブニ氏は2007年から外相としてパレスチナ側と中東和平交渉に臨んできたが、目立った成果は得られていない。ネタニヤフ元首相は和平交渉よりも、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のイスラエル入植地の経済状況を改善するのが先決との立場をとっている。

 右派のネタニヤフ元首相は組閣にあたり、中道右派を含めた緩やかな連合を目指しているとみられているが、政権は短命に終わる可能性が高く、中東和平の推進に積極的なバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領との関係悪化の可能性も指摘されている。(c)AFP/Jean-Luc Renaudie