【2月21日 AFP】米国務省関係者は20日、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)からバラク・オバマ(Barack Obama)大統領に宛てた書簡を受け取り、取り扱いを検討中であることを明らかにした。

 匿名の米国務省関係者はこの書簡は「ハマスからオバマ大統領に宛てたものだった。米政府はこの書簡をどのように扱うか検討中だ」と述べた。

 この書簡がオバマ大統領に対するなんらかの提案なのかどうかは不明。オバマ大統領は、ハマスがイスラエルを承認し、暴力を放棄し、イスラエルとパレスチナ間の和平交渉に従うことに同意しない限り、米政府はハマスと交渉しないと述べている。

 この書簡は、米上院のジョン・ケリー(John Kerry)外交委員長が、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を視察のため訪れた際に現地の国連関係者から託されたもので、国連関係者は書簡がハマスからのものだとはケリー議員にも明かさなかった。

 フレドリック・ジョーンズ(Frederick Jones)報道官によると、ケリー議員は後の報道で書簡の差出人を知り、20日、書簡をエルサレム(Jerusalem)の米国領事館に届けた。

 これに対して、ハマスは書簡をケリー議員を通じて米政府に送ったことを否定しているが、ハマスのファウジ・バルフム(Fawzi Barhum)報道官は、「パレスチナ人の権利を取り戻す用意がある人となら誰とでも関係を築くことを望んでいる」と述べた。

 UNRWAのクリストファー・グネス(Christopher Gunness)報道官は、「書簡はガザのUNRWA事務所の門に置かれていた。ハマスからのものだと思われる」と話している。

 内容を確認したかとの問いにグネス報道官は、「UNRWAでは他人宛ての書簡を開けることはない」と述べ、これを否定した。

 同報道官によると、書簡はガザの国連施設内でケリー米外交委員長とUNRWA幹部が会談をした際にケリー氏に手渡されたという。

 ケリー議員は今回の訪問でハマスの代表とは一切接触していない。同議員は、ガザ地区訪問が米政府の対ハマス政策の変更を示すものではないと明言している。(c)AFP