【2月15日 AFP】サウジアラビアのアブドラ・ビン・アブドルアジズ(Abdullah bin Abdul-Aziz)国王は14日、即位後最大規模となる政府高官人事の改造を行った。

 国民から恐れられている勧善懲悪委員会(宗教警察)の委員長が交代したほか、同国初の女性副大臣が誕生した。

 女性教育問題担当の教育副大臣になることが決まったのは、Saudi Institute for Public Administration(サウジ公共政策研究所)のヌーラ・ファエズ(Norah al-Fayez)氏。同国政府の女性としてこれまでに最も高い地位に就くことになる。

 強硬派とされてきた勧善懲悪委員会のイブラヒム・ガイス(Ibrahim al-Ghaith)委員長が交代するのも大きな変化だ。

 ムタワ(Muttawa)と呼ばれる勧善懲悪委員会は、家族以外の男女が同席してはならないといった、現代にはそぐわない面も出始めているイスラム教的な社会規範を国民が守るよう厳しく取り締まり、国民から恐れられてきた。後任に決まったアブドルアジズ・フマイン(Abdul Aziz al-Humain)氏は衛星テレビ局アルアラビーヤ(Al-Arabiya)で国民の心配事に配慮すると述べ、宗教警察の姿勢が変わる可能性を示唆した。

 一方、重要閣僚である国防相、内務相、外相に変更はなく、引き続き王族の主要な王子が担当する。(c)AFP