イスラエル首相ポスト争い、ネタニヤフ氏が優勢 カディマとの連立模索か
発信地:エルサレム/中東・アフリカ
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中東・北アフリカ
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【2月13日 AFP】右派が躍進した総選挙の結果を受け、イスラエルでは首相ポスト争いで右派野党リクード(Likud)党首のベンヤミン・ ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)元首相が、与党・中道カディマ(Kadima)党首のツィピ・リブニ(Tzipi Livni)外相をリードしているとの観測が出ている。
エルサレム・ヘブライ大学(Hebrew University of Jerusalem)アブラハム・ディスキン(Avraham Diskin)氏(政治学)は「リブニ氏が組閣する確率はゼロだ」と述べたが、この発言は選挙後の国内各報道機関の論調をよく表している。
12日発表された最終的な選挙結果によれば、総議席120のうち28議席を獲得したカディマが引き続き第1党となり、リクードが27議席を獲得して1議席差に迫った。アビグドル・リーバーマン(Avigdor Lieberman)党首率いる極右政党「わが家イスラエル(Yisrael Beitenu)」は15議席、労働党は13議席だった。
いずれの政党も組閣に必要な過半数の議席(61議席)に及ばなかったため、連立政権樹立に向けた動きが今後の焦点になる。
■カディマとの連立ねらうネタニヤフ氏
ネタニヤフ氏は次期首相ポストに近づいたものの、同氏は政治的な綱渡りを迫られるだろうと専門家は指摘する。
右派陣営のみによる政権は短命に終わる危険性が高いため、ネタニヤフ氏は議会で安定多数を確保するためにカディマとの連立を望んでいるとみられている。
右派陣営には、入植地からの撤退や和平プロセスにおける領土的譲歩に反対する勢力もあり、右派陣営のみで組閣した場合、ネタニヤフ氏がバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領との関係悪化に悩まされる可能性がある。
しかしリブニ氏は総選挙で第1党になったことから、自分が連立政権を率いるべきだと主張している。そこでネタニヤフ氏は、カディマに別方面からの接触を試みているという。
日刊紙イディオト・アハロノト(Yediot Aharonot)は「ネタニヤフ氏は先に61議席を確保すればカディマも連立に参加するだろう。カディマの議員たちは野党向きではない」との記事を掲載した。
しかし、入植者を代表して4議席を獲得したNational UnionのYaacov Katz党首はニュースサイトYnetに対し、ネタニヤフ氏がリブニ氏と連立し、パレスチナ和平交渉を進めて入植地を手放すような政策をとるならばネタニヤフ氏を支持することはあり得ないと強い調子で語った。
これ以外に連立政権内で首相ポストを分け合うという案もある。1984年の主要2政党の連立政権で前例があり、ネタニヤフ氏はこの可能性も否定していない。(c)AFP/Yana Dlugy
エルサレム・ヘブライ大学(Hebrew University of Jerusalem)アブラハム・ディスキン(Avraham Diskin)氏(政治学)は「リブニ氏が組閣する確率はゼロだ」と述べたが、この発言は選挙後の国内各報道機関の論調をよく表している。
12日発表された最終的な選挙結果によれば、総議席120のうち28議席を獲得したカディマが引き続き第1党となり、リクードが27議席を獲得して1議席差に迫った。アビグドル・リーバーマン(Avigdor Lieberman)党首率いる極右政党「わが家イスラエル(Yisrael Beitenu)」は15議席、労働党は13議席だった。
いずれの政党も組閣に必要な過半数の議席(61議席)に及ばなかったため、連立政権樹立に向けた動きが今後の焦点になる。
■カディマとの連立ねらうネタニヤフ氏
ネタニヤフ氏は次期首相ポストに近づいたものの、同氏は政治的な綱渡りを迫られるだろうと専門家は指摘する。
右派陣営のみによる政権は短命に終わる危険性が高いため、ネタニヤフ氏は議会で安定多数を確保するためにカディマとの連立を望んでいるとみられている。
右派陣営には、入植地からの撤退や和平プロセスにおける領土的譲歩に反対する勢力もあり、右派陣営のみで組閣した場合、ネタニヤフ氏がバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領との関係悪化に悩まされる可能性がある。
しかしリブニ氏は総選挙で第1党になったことから、自分が連立政権を率いるべきだと主張している。そこでネタニヤフ氏は、カディマに別方面からの接触を試みているという。
日刊紙イディオト・アハロノト(Yediot Aharonot)は「ネタニヤフ氏は先に61議席を確保すればカディマも連立に参加するだろう。カディマの議員たちは野党向きではない」との記事を掲載した。
しかし、入植者を代表して4議席を獲得したNational UnionのYaacov Katz党首はニュースサイトYnetに対し、ネタニヤフ氏がリブニ氏と連立し、パレスチナ和平交渉を進めて入植地を手放すような政策をとるならばネタニヤフ氏を支持することはあり得ないと強い調子で語った。
これ以外に連立政権内で首相ポストを分け合うという案もある。1984年の主要2政党の連立政権で前例があり、ネタニヤフ氏はこの可能性も否定していない。(c)AFP/Yana Dlugy