【2月6日 AFP】(一部訂正)パキスタンの裁判所は6日、5年間にわたり事実上、自宅軟禁下に置かれている「パキスタンの核開発の父」アブドル・カディル・カーン(Abdul Qadeer Khan)博士を「自由市民」とする決定を下した。

 自宅軟禁解除の決定は、イスラマバード高等法院のサルダル・モハマド・アスラム(Sardar Mohammad Aslam)裁判長が同日、非公開で行われた政府とカーン博士双方の代理人の意見陳述のあと下したもので、決定文は「申立人は自由市民と宣言される。申立書は処理される」と述べている。

 カーン博士は2004年2月にテレビでイラン、リビア、北朝鮮への核技術供与を告白。以来5年間、イスラマバードの自宅で事実上の軟禁下に置かれていた。博士はのちに発言を撤回している。

 軟禁解除に伴い、カーン博士は自宅で報道陣の取材に応じ、「軟禁が解かれたのは、アシフ・アリ・ザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領、ユサフ・ ギラニ(Yousuf Raza Gilani)首相、そして本件の再考を首相に進言してくれたレーマン・マリク(Rehman Malik)内相のお陰だ」と述べ、3人への謝意を示した。

 一方、国内の自由移動は認められているが、海外への渡航には政府の許可が必要であることを明かした。

 カーン博士の軟禁解除に先立ち、米国政府は前月、闇の核密売ネットワークに関与しているとして博士とその協力者12人、関連企業3社を制裁対象に指定している。(c)AFP/Masroor Gilani