【2月5日 AFP】英国のゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相が4日、「景気後退(リセッション)」と発言すべきところを「恐慌(ディプレッション)」と言い間違えるハプニングがあった。

 ロンドンで4月に開催される20か国・地域(G20)首脳会議で議長を務めるブラウン首相は、下院議会での質疑応答で、世界が保護主義へ回帰することへの懸念を示し、世界貿易機関(World Trade OrganizationWTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の早期締結の必要性を訴えっていた下りで、「『恐慌(ディプレッション)』から抜け出すために、各国政府は協調した刺激対策をとる必要がある」と発言した。

 これまで「景気後退」や「景気減速」との表現しか用いなかったブラウン首相の口から、さらに経済が悪化した状況を示す「恐慌」という言葉が初めて飛び出し、議員らを驚かせたが、首相官邸はすぐに、「言い間違いだった」と訂正するコメントを発表した。官邸の報道官もAFPに対し、「故意な発言ではなく、首相の考えでもない」と説明した。

  ブラウン首相は12月にも、国会で「世界を救った」と発言し、論争を巻き起こしている。(c)AFP