【2月5日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は4日、低所得層の子どもを対象とした公的医療保険制度(Children's Health Insurance ProgramSCHIP)の拡充法案に署名し、同法は成立した。

 これにより、現在、保険対象下にある700万人に加えて、今後の4年半で新たに400万人の子どもたちが保健対象となる。

 オバマ大統領は、同法の成立を公約の国民皆保険に向けた「手付金」と位置づけ、「21世紀にわれわれの保険制度をより拡大させ完全導入するための第1段階だ」と言明した。

 同様の法案はジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前大統領が拒否権を2回も行使して廃案になっており、同法案の成立は、米議会での民主党とオバマ政権の勝利を示すものとなった。
 
 厚生長官に指名したトム・ダシュル(Tom Daschle)元民主党上院院内総務が前日、納税漏れが発覚して指名を辞退するという痛手を被ったばかりのオバマ大統領にとっても、医療保険制度の整備に向けた良いタイミングでの発進となった。

 328億ドル(約2兆9000億円)の財源は、主にタバコの増税でまかなう。増税幅は1箱62セント(約56円)。保険制度の支持派は、タバコ増税で、約100万人の子どもたちが成年時に喫煙をあきらめる効果もあると主張している。(c)AFP