北の態度硬化の影に金総書記の健康不安、米専門家
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【2月5日 AFP】(写真追加)北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議をめぐって、北朝鮮側が以前よりはるかに強硬な路線を取るようになっている背景には、金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の健康不安問題がある――。1月に訪朝した米シンクタンクの専門家が4日、このような見解を示した。
ウッドロー・ウィルソン国際センター(Woodrow Wilson International Center for Scholars)のセリグ・ハリソン(Selig Harrison)研究員は、北朝鮮は突然、強硬路線に転じており、その理由が問題だと指摘。バラク・オバマ(Barack Obama)新大統領に対し「毅然とした態度」を示すためとの分析もあるが、ハリソン氏は「金総書記の健康不安の影響」と「韓国の北朝鮮政策の転換」の2点を強調した。
■金総書記の仕事量は減少
同氏によると、前月の訪朝の際に出会った北朝鮮の高官らは、「金総書記が脳梗塞で倒れた」との前年8月の報道について「作り話だ」と異口同音に否定した。だが同氏自身は報道の内容を信じているという。
また、「複数の確かな情報筋」から金総書記の仕事量が大幅に減ってきているとの情報を得ており、それによれば金総書記は日常的な国内問題の処理は義弟の張成沢(チャン・ソンテク、Jang Song-Thaek)氏に任せ、外交・防衛政策の大半は今や国防委員会のタカ派の手に委ねられているという。
■「南北共同宣言見直し」発言も刺激に
さらに、韓国の李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)大統領が2000年6月と07年10月の南北共同宣言を見直すと発言したことが、日米韓が北朝鮮体制の体制変革と(南への)吸収合併を狙っているとの北朝鮮の不安を再燃させたと指摘。「総書記の病状に揺れる北朝鮮にとって、神経を逆なでされたようなもの」と述べて、李大統領の発言は「歴史的なひどい過ち」だとの見方を示した。
■息子=後継者は「名目」か
一方、金総書記の後継者問題については、「息子が後継者と目されているというような証拠は見あたらない。だが、うち1人が張氏とともに『名目上の指導者』に担ぎ上げられている可能性はあるかもしれない」と分析した。(c)AFP
ウッドロー・ウィルソン国際センター(Woodrow Wilson International Center for Scholars)のセリグ・ハリソン(Selig Harrison)研究員は、北朝鮮は突然、強硬路線に転じており、その理由が問題だと指摘。バラク・オバマ(Barack Obama)新大統領に対し「毅然とした態度」を示すためとの分析もあるが、ハリソン氏は「金総書記の健康不安の影響」と「韓国の北朝鮮政策の転換」の2点を強調した。
■金総書記の仕事量は減少
同氏によると、前月の訪朝の際に出会った北朝鮮の高官らは、「金総書記が脳梗塞で倒れた」との前年8月の報道について「作り話だ」と異口同音に否定した。だが同氏自身は報道の内容を信じているという。
また、「複数の確かな情報筋」から金総書記の仕事量が大幅に減ってきているとの情報を得ており、それによれば金総書記は日常的な国内問題の処理は義弟の張成沢(チャン・ソンテク、Jang Song-Thaek)氏に任せ、外交・防衛政策の大半は今や国防委員会のタカ派の手に委ねられているという。
■「南北共同宣言見直し」発言も刺激に
さらに、韓国の李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)大統領が2000年6月と07年10月の南北共同宣言を見直すと発言したことが、日米韓が北朝鮮体制の体制変革と(南への)吸収合併を狙っているとの北朝鮮の不安を再燃させたと指摘。「総書記の病状に揺れる北朝鮮にとって、神経を逆なでされたようなもの」と述べて、李大統領の発言は「歴史的なひどい過ち」だとの見方を示した。
■息子=後継者は「名目」か
一方、金総書記の後継者問題については、「息子が後継者と目されているというような証拠は見あたらない。だが、うち1人が張氏とともに『名目上の指導者』に担ぎ上げられている可能性はあるかもしれない」と分析した。(c)AFP