【2月4日 AFP】(一部訂正)米厚生長官に指名されていたトム・ダシュル(Tom Daschle)元民主党上院院内総務が納税漏れ発覚で指名を辞退したことに対し、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領は3日、「わたしの大失敗」と語った。

 3日には、オバマ氏が最も「重要」な指名としていたナンシー・キルファー(Nancy Killefer)元財務次官補も行政監督官の指名辞退を発表しており、オバマ氏にとって大統領就任以来の最悪の1日となった。

 キルファー、ダシュル両氏の相次ぐ指名辞退は、オバマ大統領がテレビインタビューを通じて、国民に重ねて提示しようとしていた景気刺激策に暗い影を落としている。同大統領は清廉な政府の幕明けを約束しているが、両氏の指名辞退で、その約束がかえって大統領の落とし穴となる恐れが出てきた。

 オバマ大統領は、CNNのインタビューで、「権力者と一般の勤労納税者を分け隔てする二重基準があるようなメッセージを、国民に伝えたくない」と語り、「間違いだったし、わたしは大失敗した。このことの責任をとり、2度と起こらないように間違いを正すつもりだ」と述べた。

 米景気対策法案を審議中の上院に対して圧力をかけていく構えを見せていたオバマ大統領だったが、指名辞退の発表を受け、道義問題を問うメディア攻勢にさらされることになった。(c)AFP/Stephen Collinson