【2月3日 AFP】(写真追加)ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官が2日、国務省で就任宣誓式に臨んだ。国務長官としてのクリントン氏の行く手には数々の難題が待ち受けるが、この日は冗談を交える余裕も見せた。

 クリントン国務長官が宣誓の途中で、「生涯を通して夫に感謝しています。あらゆる種類の経験を含めて」と述べると、見守っていた外交官、政治家、人気コメディアンやクリントン氏の母親や娘のチェルシー(Chelsea Clinton)さん、そして赤白の縞模様のネクタイが、赤らんだ顔と白髪に抜群のコントラストをみせた夫のビル・クリントン(Bill Clinton)元大統領らから温かい笑いが起きた。

 クリントン国務長官はさらに「たぐいまれな豊かさも全て夫のおかげであり、一生感謝します」と続けた。クリントン氏は上院が正式に国務長官就任を承認した1月22日に少人数で宣誓を済ませており、この日の式典は儀礼的なもの。

 1993年から2001年のクリントン元大統領の在任期間は浮き沈みが多い劇的なものだった。特に、インターンだったモニカ・ルインスキー(Monica Lewinsky)さんとの不倫騒動ではクリントン元大統領は弾劾裁判にかけられた。

 不倫問題に関してクリントン国務長官は、民主党の大統領指名候補だった1年前、米テレビとのインタビューで当時の心情を告白。「夫の愛を疑ったことは一度もなかった」と話している。

 民主党の大統領候補指名をめぐって猛烈な争いを繰り広げたバラク・オバマ(Barack Obama)大統領、ジョー・バイデン(Joe Biden)副大統領、クリントン国務長官が同じ政権に入る結果になったことに3人とも驚きを隠さない。

 クリントン国務長官は宣誓に立ち会ったバイデン副大統領のそばに立ち、「ジョー(バイデン氏)もわたしも、今日、こうして2人が肩を並べて宣誓に臨むなど想像もしなかった」と述べ「人生は面白い方向に展開するもの。政治はなおさらそうです」と締めくくった。(c)AFP/Lachlan Carmichael