【1月23日 AFP】22日に発表された調査によると、バラク・オバマ(Barack Obama)氏が前年11月4日に第44代米大統領に選出された直後、米国人の25%近くがオバマ氏はイスラム教徒だとのうわさを信じていたことが分かった。

 オハイオ州立大学(Ohio State University)が、大統領選後の08年11月6日から20日までの2週間、無作為に抽出した600人を対象に電話調査を実施したところ、回答者の91%が「オバマ氏はイスラム教徒だ」とのうわさを聞いたことがあると答え、22%はそれを真実だと信じていた。

 対立する共和党の正副大統領候補、ジョン・マケイン(John McCain)上院議員とサラ・ペイリン(Sarah Palin)アラスカ(Alaska)州知事についてもさまざまな中傷まがいのうわさが飛び交っていたが、米国人はこの2候補よりオバマ氏に関するうわさを耳にする機会がより多く、より信じやすいことも明らかになった。

■1割が「オバマ氏は大統領になる資格ない」

「オバマ氏は生まれつきの米国民でないため米大統領になる資格がない」とのうわさを約59%の回答者が聞いたことがあったが、これを信じていたのはそのうちわずか10%だった。

 また、41%が「オバマ陣営に寄せられた巨額の寄付は、少数の外国人富豪からのものだ」とのうわさを知っており、20%が信じていた。

■共和党候補についてのデマは

 一方、ペイリン氏が知事を務めるアラスカ州ワシラ(Wasilla)の図書館で不道徳な書籍の閲覧を禁止しようとしたとの誤ったうわさを知っていると答えたのは40%だったが、うわさを信じていたのは、わずか13%だった。

 また、ベトナム戦争への従軍経験を持つマケイン氏が、「報道テレビ番組『60ミニッツ(60 Minutes)』のなかで、民間人のベトナム女性や子どもらを空爆で殺害した戦犯だったことを告白した」とのデマを聞いたと答えたのはわずか11%で、これを信じていたのは3%に過ぎない。

■ネットは一般知識への脅威にならない

 このことから、調査をまとめたオハイオ州立大のケリー・ギャレット(Kelly Garrett)氏は、「インターネットを頻繁に利用する人びとは、ネット上で流言に接する機会が多い一方で、正確な情報を見分ける能力を備えている」と述べ、インターネットが一部で考えられているような一般知識への脅威になることはないと結論づけた。(c)AFP