【1月19日 AFP】米国初の黒人大統領となるバラク・オバマ(Barack Obama)次期米大統領は18日、就任祝賀行事第1日目の演説で米国民に、犠牲という新たな精神をもって戦争と経済危機を乗り切ろうと訴えかけた。

 公式祝賀行事の初日イベント「わたしたちは1つ(We Are One: The Obama Inaugural Celebration At The Lincoln Memorial)」は同日、ワシントンD.C.のリンカーン記念堂(Lincoln Memorial)で開会した。

 南北戦争(Civil War)と奴隷制廃止という激動の時代をくぐり抜けながら、米国を分断させることなく守ったリンカーン大統領の像の足元で、オバマ氏は演説した。

 聴衆の熱狂的なムードにもかかわらず、オバマ氏は行く手に迫る危機を厳粛に評価し「歴史の中でも、わたしたちが今直面しているほど深刻な状況に対処することを求められる世代はほんのひと握りだ。わが国は今、戦争をしており、経済は危機的状況にある」と語った。オバマ氏はこうした状況に対し、解決には「1か月、1年、中にはそれ以上かかる問題もあるだろう」と覚悟を語った。

 しかし、国民に対し「忘れてはならないことは、わが国の真価が発揮されるのは安楽な時代ではなく、困難な時のわたしたちの正しい行いによってだ。この真価を今一度発揮するために、力を貸してほしい。われわれは共にひとつの国として、ひとつの国民として、先人たちの遺産と共に進んでいける」と述べた。(c)AFP/Jitendra Joshi